超音波センサは、超音波を検出媒体とした非接触の検出センサです。送信器と受信器のセットで用いられ、送信器側は電気信号により変換された超音波を媒体に送信し、受信器側では受信した超音波を電気信号に変換します。 一般的に送信器により超音波を物体に向けて発射し、その反射波を受信器で受信することにより、物体の有無や物体までの距離を検出できます。
圧電セラミックスは、機械エネルギーを電気エネルギーに変換し(圧電効果)、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する(逆圧電効果)ことができます。この圧電効果と逆圧電効果により、超音波の送受信が可能になります。 圧電セラミックスに電圧を印加すると、厚み方向は伸縮し、それに伴って厚みと直角方向も伸縮します。
圧電セラミックスを金属板に接着したユニモルフ構造にすると、直角方向の伸縮はユニモルフ振動子全体をたわませる力となります。この屈曲運動により超音波が放射されます。 また、振動子に超音波振動が加わると、逆圧電効果により振動子に屈曲運動が生じ、電気信号を発生します。
構造 | |
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1 | 圧電セラミックス |
2 | ケース(プラスティック樹脂) |
3 | 端子 |
4 | 振動板(金属板) |
5 | イコライザ(金属) |
6 | リード線 |
7 | 接着剤 |
8 | コーティング材 |
項目 | 規格など |
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構造 | 開放型 |
使用方法 | 送受信兼用 |
中心周波数 | 38.5 kHz±2.5% |
静電容量 | 2000 pF±20% |
最大入力電圧 | 30 Vpp |
検知距離 | 0.2~4m |
使用温湿度範囲 | -40~85℃ 85%RH以下 |
保管温湿度範囲 | -40~85℃ 85%RH以下(結露無こと) |
重量 | 約0.6g |
【距離計測】ロボット、ドローン、自動車のバックソナー 等
【検知・検出】交通信号自動切換え、侵入者警報装置 等
【超音波通信システム】
試験項目 | 条件 | 時間 |
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高温放置 | +85℃ | 100時間 |
高温高湿放置 | +85℃85%RH | 100時間 |
低温放置 | -40℃ | 100時間 |
熱衝撃 | -40℃(30分)⇔+85℃(30分)(端子1-2間ショート) | 100サイクル |
振動 | 最大振幅1.2mm、周波数10~20Hz | 3方向各2時間 |
室温動作 | 周波数40kHz、矩形波30Vp-p | 1,000時間 |
物体までの距離を計測する場合(パルス反射時間の計測) 超音波センサから物体へ超音波を発射し、反射波が戻ってくる時間を測定することにより物体までの距離を計測します
発振周波数 / 40kHz 矩形波 (電圧 10Vpp)
バースト周期 / 10ms
オンデュ―ティー / 4%
オシロスコープにて送信波形と受信波形の電圧を測定します。
測定箇所 : 送信波形-A点 受信波形-B点
空中での超音波の伝播速度V[m/s]は以下の式で表されます。 V = 331.5 + 0.6071t (t : 周囲温度)
超音波センサから物体までの距離をd[m]、超音波が発射され戻ってくるまでの時間をT[s]とすると、次式が成り立ちます。
T = 2d / V
以上より、超音波センサから物体までの距離を計測できます。